「インターフェアレンス」展、銀座メゾンエルメスで開催

東京・銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでは、光、振動、波動など、身体に介入するゆらぎの感覚を通じて、知覚の探究を試みる4人のアーティストによるグループ展『Interference (インターフェアレンス)』が2023年2月23日(木・祝)から6月4日(日)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:銀座メゾンエルメス)

4人のアーティスト(フランシス真悟氏、スザンナ・フリッチャー氏、ブルーノ・ボテラ氏、宮永愛子氏)の作品はそれぞれ、ミニマルな美意識の中に潜む身振りを通じて、皮膚や臓器といった身体の感覚や無意識とより深く向かい合う知覚のメディテーションを促します。

フランシス真悟 (1969年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ)氏は、絵画における空間の広がりや精神性を探求し続けています。本展タイトルの元となった「Interference」シリーズは、光干渉顔料によって描かれているため、角度によって異なる色層や表情を変化させる絵画作品で、幾層にも重ねられたブルーの抽象画や、深い色彩のモノクローム作品とともに画家の代表作として知られています。

スザンナ・フリッチャー (1960年ウィーン生まれ)氏は、空気の流れや光を敏感にとらえる極めて繊細な素材で展示環境を満たすインスタレーションによって、展示空間の風景を再構築します。作品は特定のかたちを持たず、鑑賞者の身体を重力から引き離し、見かけの安定性や永続性を宙づりにすることで、鑑賞者に現実世界との脆弱な関係性について問い続けています。本展では、空間の中に潜む振動や鼓動を大気に伝達させながら、白い雨のような糸で空間を満たします。

ブルーノ・ボテラ (1976年フランス・サルセル生まれ)氏は、素材の変容を通じて、彫刻や身体、意識が日常的な状態から変容する過程にどう接近するか、また、その伝達可能性を刺激するような作品で知られています。具体的には、生理的作用を促す特殊な素材を用いるなど、対象物に「ねじれた打撃」を与える実験的な手法により、挑発、ユーモア、微妙な残酷さを持つ彫刻作品を発表しています。今回の展示では、キュレーターのカリン・シュラゲター氏と対話し、ギャラリーの隠れた場所の触覚を用いて、鑑賞者の意識下に潜む知覚を触発する作品を構想しています。

宮永愛子 (1974年京都府生まれ)氏は、日用品をナフタリン (防虫剤や防臭剤、染料、合成樹脂などに用いられる化学薬品)でかたどったオブジェや、塩や葉脈、陶器の貫入音を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時間を視覚化し、「変わりながらも存在し続ける世界」を表現しています。本展においては、日常から宇宙を感じる茶会を開催し、オンラインを通じて時空を超える体験へと誘います。なお、宮永氏による茶会は会期中に数回実施されます。

Interference (インターフェアレンス)
会期:2023年2月23日(木・祝)~6月4日(日)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階 (map)
開館時間:11:00~19:00
休館日:3月15日(水)
茶会:3月21日(火・祝)、4月21日(金)、5月21日(日) ※予約はこちら
入場料:無料
問い合わせ:Tel.03-3569-3300

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