「コズミック・ガーデン」サンドラ・シント展、銀座メゾンエルメスで開催

東京・銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでは、ブラジル・サンパウロを拠点に制作を続けるアーティスト、サンドラ・シント氏による『コズミック・ガーデン』展が2020年2月11日(火・祝)から5月10日(日)まで開催するのでメモしておきます。(photo:銀座メゾンエルメス)

1968年、ブラジルに生まれたシント氏は、星や結晶、波などをモチーフとして用いたドローイングを主に、空間と関わり合いを持つインスタレーションを数多く手がけてきました。日本では、豊田市美術館 (2008年)や、青森公立大学国際芸術センター青森での滞在制作 (2015年)に参加したほか、アメリカ、ブラジル、スペインを中心とする各国で個展、シアトル美術館が運営するオリンピック彫刻公園の壁画作品などパブリックアートも制作しています。また、パートナーであるアルバーノ・アフォンソ氏と共に「アトリエ・フィダルガ」を主宰し、ブラジル国内外にて展覧会やレジデンシーなどの芸術交流も積極的に行っています。

シント氏にとってドローイングとは、人々の体験や記憶、夢を共有するひとつの内省的な言語でありながら、時間と向かい合うひとつの重要な方法でもあり、瞑想や休息をも意味します。白や銀の細い線から描き出されるのは、荒れ狂う海、暴風雨や天空といった、人間の力の及ばない崇高さと結びつく光景ですが、ここでシントが問いかけるのは、自然の力による破壊や暴力そのものではなく、カタストロフや混沌といった状況に直面した時、私たち人間が感情と向き合う時間です。

本展では、宇宙を象徴的に表す青のグラデーションを用いながら、生命の流動や宇宙の時空を抽象的に重ね合わせたインスタレーション制作を行います。これらは、シント氏と親交のある何人かのアーティストたちとの共同作業によって行われますが、数日間にわたる作画は、ドローイングの反復的なリズムや波動が互いの瞑想の中で繋がりあい、空間へと共鳴してゆく特徴を生み出します。

サンドラ・シント (Sandra Cinto)氏は、1968年、ブラジル、サント・アンドレ生まれ。現在、サンパウロ在住。シント氏は自らの時間を蓄積する直接的な行為としてドローイングを好み、シンボルや線を用いた豊かな語彙で、空想と現実の間に漂う叙情的な風景や物語を紡ぎ出します。ドローイングを起点として、緻密に描き込まれた荒れ狂う海、暴風雨や天空などの入り組んだ魅惑的な風景は、周囲の建築環境と共振しながら、方向感覚を失わせ、無重力や渦巻く宇宙を錯覚させる。幻想的な景色は、人間の苦悩や贖罪の物語を想起させながら、人間の大叙事詩を暗示するかのようでもあります。

「コズミック・ガーデン」サンドラ・シント展
会期:2020年2月11日(火・祝)~5月10日(日)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム (map)
開館時間:月~土 11:00~20:00、日 11:00~19:00
休館日:不定休 ※年末年始はエルメス銀座店の営業時間に準ずる
入場料:無料
問い合わせ:Tel.03-3569-3300

[ 関連するサイト ]
銀座メゾンエルメス
楽天で『HERMES (エルメス)』の商品を探してみませんか?

¥650 (2019.3.1時点)
Amazon.co.jp