建築家 山本理顕氏、2024年プリツカー建築賞授賞

米・ハイアット財団は、2024年のプリツカー建築賞を日本人の建築家 山本理顕氏に授与することを発表したのでメモしておきます。(photo:横須賀美術館|プレスリリース)

プリツカー建築賞は、ハイアットホテルのオーナーが1979年に創設した賞で「建築界のノーベル賞」とも称され、今回で第53回受賞者となります。2024年の審査員は、委員長に2016年のプリツカー賞受賞者のアレハンドロ・アラベナ氏、審査員にSANAAの妹島和世氏や中国の建築家ワン・シュウ氏などが名を連ねました。

受賞理由として、「社会的要求の責任とは何かという意識をコミュニティに生み出し、建築の規律に疑問を投げかけて個々の建築の反応を調整し、そして何よりも、建築においても民主主義と同様に、空間は人々の決意によって創造されなければならないことを気付かせてくれた」 と述べています。また、ハイアット財団の会長であるトム・プリツカー氏は「単に家族が住むための空間を作るだけでなく、家族が一緒に暮らすためのコミュニティを作る新しい建築言語を生み出した」と評価しています。

日本人の受賞は丹下健三氏、槇文彦氏、安藤忠雄氏、SANNA(妹島和世氏+西沢立衛氏)、伊東豊雄氏、坂茂氏、磯崎新氏に続き9人目となります。授賞式は2024年5月に米シカゴのシカゴ美術館で行われる予定です。

山本理顕氏は、1945年中国北京生まれ、1968年日本大学理工学部建築学科卒業。1971年東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了後、東京大学生産技術研究所 原広司研究室研究生を経て、1973年株式会社山本理顕設計工場設立。横浜国立大学大学院教授、同大学院客員教授、日本大学大学院特任教授、名古屋造形大学学長を経て、2022年から東京芸術大学客員教授。

代表作に「熊本県営保田窪第一団地 (1991年)」「埼玉県立大学 (1999年)」「公立はこだて未来大学 (2000年)」「東雲キャナルコートCODAN (2003年)」「横須賀美術館 (2007年)」など。チューリッヒ、天津、北京、ソウル、台北などでも複合施設、公共建築、集合住宅を手がける。毎日芸術賞、日本建築学会賞、日本芸術院賞など受賞。

[関連するサイト]
The Pritzker Architecture Prize
山本理顕設計工場

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