アサヒビール大山崎山荘美術館、2023年7月1日から館名変更へ

アサヒグループジャパンが所有する「アサヒビール大山崎山荘美術館」(京都府)は、2023年7月1日から館名を『アサヒグループ大山崎山荘美術館』に変更するのでメモしておきます。(photo:アサヒグループ大山崎山荘美術館|プレスリリース)

2022年1月のアサヒグループジャパン発足に伴い、所有者がアサヒビールからアサヒグループジャパンに移行したことにより館名を変更するものです。館名変更に合わせて、新たな所蔵品を披露する企画展の開催やWEBサイトのリニューアルなどを実施する予定で、美術館のさらなる価値向上に取り組みます。

「アサヒグループ大山崎山荘美術館」は、引き続きアサヒグループの保有資産として、個性を生かした企画展示や、貴重な建築物、美しい庭園を後世に遺すとともに、地域と連携した教育普及活動などに一層力を入れ、多様な文化と人々をつなぐ架け橋として多くの人に愛される開かれた美術館を目指します。

「アサヒビール大山崎山荘美術館」は、1996年4月開館。約5,500坪の庭園の中、英国風山荘である本館と、建築家 安藤忠雄氏による設計の「地中の宝石箱」、「夢の箱」、その他の建物から構成されています。2004年には本館を含めた6つの建物が国の有形文化財として登録されました。所蔵品の中核を成すのが、クロード・モネ《睡蓮》をはじめとする西洋近代絵画と、開館に際して寄贈された朝日麦酒株式会社(現アサヒグループホールディングス株式会社)初代社長 山本爲三郎氏による民藝運動ゆかりのコレクションです。

美術館本館は、実業家の加賀正太郎氏が別荘として設計し、「大山崎山荘」と名づけました。大正時代に木造で建てられたのち、昭和初期に大幅に増築されます。1922年に加賀氏は早くも山荘の改造に着手し、現在の本館は、1932年頃に完成したと思われます。上棟部は、イギリスのチューダー・ゴシック様式に特徴的な木骨を見せるハーフティンバー方式をとり入れ、鉄筋コンクリート造、屋根部分には鉄骨が組まれています。

1995年、建築家 安藤忠雄設計による新棟「地中館」が増設されました。本館とは通路で結ばれている「地中館」は、安藤氏により「地中の宝石箱」と名づけられ、周囲の景観との調和をはかるため半地下構造で設計され、円柱形の展示空間上部には植栽がほどこされています。

2012年には、安藤氏の設計による新棟 山手館「夢の箱」が竣工しました。睡蓮の花が咲く池のほとりに建つ地上1階建ての山手館は、円柱形の地中館「地中の宝石箱」とは対照的に、箱形で構成されています。池に面した本館1階テラス[展示室1]から栖霞楼 (せいかろう)を望む往来の景観を崩さないように、建物は周囲の木々に埋もれるように配置され、さらに上部には植栽がほどこされているため、直線的なコンクリートの建物が天王山の自然に不思議と溶けこんでいます。

アサヒグループ大山崎山荘美術館
所在地:京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3 (map)
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日、臨時休館、年末年始
入館料:一般900円
問い合わせ:Tel.075-957-3123

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