「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展、銀座メゾンエルメスで開催

東京・銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでは、パリを拠点に制作するアーティスト 湊茉莉氏の日本における初の個展『「うつろひ、たゆたひといとなみ」 湊 茉莉展』が2019年3月28日(木)から6月23日(日)まで開催するのでメモしておきます。(photo:銀座メゾンエルメス)

湊茉莉氏は、鮮やかな色彩を用いた抽象的なモチーフを建築物に直接描くスタイルの作品を手がけ、2006年の渡仏以降、主にフランスを中心に個展やグループ展にて作品を発表してきました。また近年は、ネッケル小児病院(2014年、パリ)やパリ国際大学都市のカフェテリア(2018年)などに常設の壁画も手がけています。

本展は、「うつろいゆく世界と人々の営み」を意味するタイトルで、通常のギャラリー展示に加え、メゾンエルメスのガラスブロックのファサードにも絵画を描き、建物の内外で変化する時間や光の流れを描き出す初めての試みとなります。

湊氏は、さまざまな文明の起源に遡りながら、歴史の中で人々によって共有された、あるいは忘れ去られてしまった事柄に興味を寄せ、それらの痕跡や歪みを再び浮かび上がらせてゆきます。大胆で即興的な身振りを思わせるペインティングでありながら、実際は制作する地で目にした風物を書きとめたスケッチをもとに、綿密なリサーチを伴った観察から出発します。

メゾンエルメス フォーラムでの展覧会に先行し、ファサードに描かれる「Utsuwa (器)」は、人類の文明に深く関わる「器」の普遍的な存在と、時間や光の変化と共存しながら周囲の環境を受け入れてゆくガラスの建物のイメージから発想されました。

ギャラリーでは、黄河文明から、メソポタミア、エジプト、イスラムといった異なる文明や文化の中で重要な役割を担っていた、いくつかのモチーフに焦点を当てた作品が展示されます。石やテラコッタ、骨、鉄、陶などでできた彫像やお守りなど宗教に関わるものや、器や道具といった日常生活品などのリサーチから見いだされる相互の文化の混合や交流を、人類学的な視点から重なり合う襞のような構造で表します。

湊茉莉氏は、1981年、京都府生まれ。現在、フランス、パリ在住。京都市立芸術大学・同大学院で日本画を専攻した後、パリ国立高等美術学校に留学。壁面や建築物に鮮やかな色彩を用いた抽象的なモチーフを筆で描く作風で知られています。大胆で即興的な身振りを思わせるペインティングでありながら、実際は制作する地で目にした風物を描きとめたスケッチをもとに、綿密なリサーチを伴った観察から出発します。フランス移住後はパリを拠点とし、「人はなぜ絵を描き始めたのか」という命題について、欧州文化の礎となったケルトやガリア、古代ローマなどの先住民族の文化についてのリサーチなどを続けています。

「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展
会期:2019年3月28日(木)~6月23日(日)
※ファサードペインティング「Utsuwa」: 2019年3月21日(木・祝)~5月6日(月・祝)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム (map)
開館時間:月~土 11:00~20:00、日 11:00~19:00
休館日:会期中無休 ※ただし、4月12日(金)を除く
入場料:無料
問い合わせ:Tel.03-3569-3300

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