レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル、森美術館で開催

東京・六本木ヒルズ53階の森美術館では、国際的に活躍するアルゼンチン出身の現代アーティスト レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)氏の個展『レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル』が2017年11月18日(土)から2018年4月1日(日)まで開催するのでメモしておきます。(photo:森美術館|プレスリリース)

エルリッヒ氏は、日本では金沢21世紀美術館に恒久設置された「スイミング・プール」の作家としても知られています。大型のインスタレーションから映像まで、エルリッヒ氏の作品は視覚的な錯覚や音の効果を用いて、わたしたちの常識に揺さぶりをかけます。一見どこにでもある見慣れた風景ですが、よく見ると、水がないのに舟が浮かんでいたり、人々がさまざまなポーズで壁に張り付いていたりと、その異様な光景に観客は驚きと違和感を覚えることでしょう。自分が見ていることは果たして現実なのか、という疑いを抱くとともに、いかに無意識のうちに習慣にとらわれて物事を見ているか、という事実に気付くのです。

本展は、エルリッヒ氏の四半世紀にわたる活動の全容を紹介する、世界でも過去最大規模の個展です。新作を含む44点の作品を紹介し、その8割が日本初公開となります。作品を通してわたしたちは、見るという行為の曖昧さを自覚し、惰性や習慣、既成概念や常識などを取り払い、曇りのない目で物事を「見る」ことで、新しい世界が立ち現われてくることを、身をもって体験することになるでしょう。

また、関連企画として、シンポジウム、トークセッション、ギャラリートーク、ワークショップ、学校プログラム、アクセスプログラムなど、様々なラーニング・プログラムを実施します。

レアンドロ・エルリッヒ氏は、1973年、アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。現在はブエノスアイレスとウルグアイ、モンテビデオを拠点に活動。ホイットニー・ビエンナーレ2000(ニューヨーク、2000年)をはじめ、第49回ベネチア・ビエンナーレ(2001年)、第26回サンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル、2004年)、リバプール・ビエンナーレ2008(イギリス、2008年)といった多くの国際展に参加、また、ポンピドゥー・センターで開催された「パリ・デリー・ボンベイ展」(フランス、2011年)にも出展。主な個展に、ローマ現代美術館(イタリア、2006年)、MoMA PS1(ニューヨーク、2008年)、エスパシオ・フンダシオン・テレフォニカ(マドリッド、2017年)、ニューバーガー美術館(ニューヨーク、2017年)など。国内では、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟、2006年、2012年)、瀬戸内国際芸術祭2010(香川、2010年)などに参加し、2014年には金沢21世紀美術館にて日本初の個展を開催しました。

レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル
会期:2017年11月18日(土)~2018年4月1日(日)
会場:森美術館 (map)
開館時間:10:00~22:00 ※火曜日のみ17:00まで
料金:一般1,800円
問い合わせ:ハローダイヤル Tel.03-5777-8600

[ 関連するサイト ]
森美術館
Leandro Erlich