「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展、銀座メゾンエルメスで開催

東京・銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでは、アムステルダムを拠点に活動する写真家、アーティストであるシャルロット・デュマ氏の展覧会『ベゾアール(結石)』が2020年8月27日(木)から12月29日(火)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:銀座メゾンエルメス)

1977年、オランダ・フラールディンゲンに生まれたデュマ氏は、現代社会における動物と人の関係性をテーマに、20年に亘り、騎馬隊の馬や救助犬など、人間と密接な関係を築いている動物たちを被写体としたポートレイト作品を発表してきました。2014年からは日本を訪問し、北海道、長野、宮崎、与那国島など全国8ヶ所を巡り、現存する在来馬を撮影し続けています。

本展は、デュマ氏の近年の映像作品3点を中心に、動物と人間の関わり合いを再考するものです。ベゾアールは動物の胃や腸の中に形成される凝固物のことで、科学的に証明しうる医学的な現象からできた石でありながら、その存在は、古い伝承の中ではお守りや神秘的な想像と結びつくこともありました。デュマ氏は、馬の撮影を通じて発見した原始の風景を紐解くように、馬と関連する品々や史料との対話を試み、生と死について問いかけます。私たちは、自然の一部として、動物や植物などと共存をすることでしか生きてゆくことはできません。ここで紹介するベゾアールや埴輪、木馬などの品々は、共存の一つの証でもあり、デュマ氏の写真作品とともに、生の儚さをアレゴリカルに伝えてくれます。

また、本展は、デュマ氏が数年来協働を続ける、テキスタイルデザイナーのキッタユウコ氏による藍染めの布を用いたインスタレーションや、建築家 小林恵吾氏と植村遥氏による会場構成などにより、デュマ氏の紡ぐ物語をいくつかの視点から見つめることができます。自然との対話に加わることのできる空間の中で、世界中がかつてないような状況に直面している今だからこそ、これらの作品は、自然や生命について心を開き見つめなおすきっかけを与えてくれるでしょう。

シャルロット・デュマ (Charlotte Dumas)氏は、1977年、オランダ、フラールディンゲン生まれ。現在、アムステルダムを拠点に活動を行う。2000年にヘリット・リートフェルト・アカデミーを卒業後、ライクスアカデミーで学ぶ。現代社会における動物と人間の関係性に強い関心を寄せ、20年以上にわたり、馬や犬を中心とした作品を撮り続けています。例えば、騎馬隊の馬や救助犬など、人間生活のために特定の状況におかれ、共生する動物たちを被写体としながら、私たちが動物や他者の価値をどのように定義づけてきたのかを問いかける。2014年からは、日本全国に現存する在来馬を撮影するプロジェクトを手がけ、北海道、長野、宮崎、与那国島など8ヶ所を巡って撮影した作品は、「Stay」(ギャラリー916、東京、2016年)で発表されただけでなく、同名の写真集として出版されました。近年では、写真に加え、映像作品も手がけています。

「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展
会期:2020年8月27日(木)~12月29日(火)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム (map)
開館時間:月~土 11:00~20:00、日 11:00~19:00
休館日:不定休 ※年末年始はエルメス銀座店の営業時間に準ずる
入場料:無料
問い合わせ:Tel.03-3569-3300

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