文化庁国立近現代建築資料館、10周年記念アーカイブズ特別展開催

東京・湯島の文化庁国立近現代建築資料館(National Archives of Modern Architecture [略称 NAMA])では、10周年記念アーカイブズ特別展『日本の近現代建築家たち』を二部構成で、「第1部:覚醒と出発」が2023年7月25日(火)から10月15日(日)、「第2部:飛躍と挑戦」が2023年11月1日(水)から2024年2月4日(日)まで開催するのでメモしておきます。(photo:文化庁国立近現代建築資料館|プレスリリース[PDF])

日本の近現代建築は世界的にも評価が高く、それら資料の一部は有名海外美術館等でのコレクションにもなっています。こうした日本の新たな建築文化を国内で守り、アーカイブズとして発展させてゆくため文化庁国立近現代建築資料館は設立されました。この10年でコレクション (所蔵資料群)は30を超え、手描き図面を中心とした建築資料の収蔵は、20万点を超えました。図面をはじめ、スケッチ、関連資料、写真アルバム等、多岐に渡り、コレクション毎に内容は異なります。多様な資料を通し、近現代建築家達の軌跡を見ることができます。

この10年の活動を紹介しながら、NAMAの建築家アーカイブズより、日本の近現代を創り上げてきた12名の建築家たちに関するコレクションを、二部に分けて紹介します。

第1部:覚醒と出発
建築家たちが建築界に名を刻んだ出発点となった作品や、日本の近現代建築の発展に大きく貢献した作品や活動を展示します。それぞれの建築家たちがどのような想いからこれらの作品を発想し、実現させたのか、これらの建築が社会や建築史においてどのような位置づけとなってゆくかをたどります。

■展示作品予定 (敬称略)
吉田鉄郎:別府市公会堂 (1928年)
岸田日出刀:海外近代建築調査記録 (1925,1936年他)
坂倉準三:神奈川県立近代美術館 (1951年)
前川國男:晴海高層アパート (1958年)
丹下健三:広島平和記念資料館 (1955年)
吉阪隆正:ヴィラ・クゥクゥ (1957年)
大髙正人:千葉県文化会館、千葉県立図書館 (1967,1968年)
高橋靗一*:佐賀県立図書館 (1962年,内田祥哉と共同設計) *(靗一の「靗」は青偏に光)
大谷幸夫:国立京都国際会館 (1963-1966年)
菊竹清訓:出雲大社庁の舎 (1963年)
原広司:粟津邸 (1972年)
安藤忠雄:住吉の長屋 (1976年)

第2部:飛躍と挑戦
建築家たちの飽くなき挑戦の数々を紹介します。代表的な作品のみならず、未完に終わった名作やコンペへの意欲的な応募案を加えた展示を通じて、生涯かけて挑み続ける建築家たちの創造力と生き様を紹介します。

■展示作品予定 (敬称略)
吉田鉄郎:東京中央郵便局 (1931年)、忠霊塔コンペ案 (1939年)
岸田日出刀:ゴルフコースと倶楽部ハウスのデザイン
坂倉準三:新宿西口計画 (1966年)、神奈川県庁新庁舎 (1966年)
前川國男:ポンピドゥセンターコンペ案 (1971年)、最高裁判所コンペ案 (1968年)
丹下健三:シンガポール・スポーツ・コンプレックス計画 (1972年)
吉阪隆正:大学セミナーハウス (1965年)
大髙正人:京都国際会議場コンペ案 (1963年)、広島基町・長寿園団地 (1978年)
高橋靗一*:浪速芸術大学コンペ案 (1964年)、群馬県立館林美術館 (2001年) *(靗一の「靗」は青偏に光)
大谷幸夫:国立京都国際会館 (1963-1966年)、最高裁判所コンペ案 (1968年)
菊竹清訓:海上都市、京都国際会議場コンペ案 (1963年)、アクアポリス (1975年)
原広司:ケルン・メディアパーク・コンペ案 (1988年)、影のロボット (1986年)
安藤忠雄:水の教会 (1988年)

文化庁国立近現代建築資料館10周年記念アーカイブズ特別展
「日本の近現代建築家たち」

会期 第1部:2023年7月25日(火)~10月15日(日)
会期 第2部:2023年11月1日(水)~2024年2月4日(日)
会場:文化庁国立近現代建築資料館 (map)
開館時間:10:00~16:30
休館日:毎週月曜日、9/19(火)、10/10(火)、12/28(木)~1/4(木)、1/9(火)
※ただし、9/18(月・祝)、10/9(月・祝)、1/8(月・祝)は開館
入館料:無料 ※平日のみ湯島地方合同庁舎正門より入館に限る/土日祝日は都立旧岩崎邸庭園より入館(有料)
問い合わせ:Tel.03-3812-3401

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文化庁国立近現代建築資料館

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