TOPコレクション セレンディピティ、東京都写真美術館で開催

東京・恵比寿の東京都写真美術館では、『TOPコレクション セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見』を2023年4月7日(金)から7月23日(日)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:東京都写真美術館)

「セレンディピティ」という言葉があります。「セレンディップの三人の王子」というペルシアのおとぎ話を由来とするこの言葉には、「偶然と才気によって、予期しない発見をすること」という意味があります。

本展覧会では、約3万7千点に及ぶ当館の収蔵作品のなかから、セレンディピティをキーワードに、ありふれた日常の何気ない一瞬を撮影した作品などを見ていきながら、写真家たちに訪れたささやかな心の機微を探ります。そしてまた、展覧会を見るという行為自体も、予期しない出来事との出会いにあふれた、セレンディピティな体験です。 何年も続く制限された日々のなかで、様々な辛い出来事や不都合な出来事をたくさん経験してきた私たちですが、こうした写真家たちの視点をヒントに、セレンディピティの産物としての癒やしや心の豊かさを回復する種を見つけることができるかもしれません。

[しずかな視線、満たされる時間]
出品作家:吉野英理香、牛腸茂雄、北井一夫、島尾伸三、潮田登久子、今井智己
日常というありふれた世界も、ちょっと視点を変えてみれば、様々な気づきにあふれています。ずっと前からすぐそこにあったのに気づかなかったことの発見は、まさしくセレンディピティな現象として、予期しないタイミングで私たちに訪れます。世界を切り取ることによって表現する写真というメディアを使って、作家たちが日常のなかのささやかな発見を捉えた作品を紹介します。

[窓外の風景、またはただそこにあるものを写すということ]
出品作家:鈴木のぞみ、佐内正史、葛西秀樹、エドワード・マイブリッジ、山崎博、浜田涼、相川勝
ひとつのイメージを目の前にすると、私たちはそこに何かを見出し、そして見た人によってはとても大切な意味を持つことがあります。このセクションでは、作家たちが「ただ、そこにあるものを写しとる」という行為によって得られたイメージが、それを鑑賞する人におこすセレンディピティについて考えてみます。

[ふたつの写真を編みなおす]
出品作家:奈良美智、齋藤陽道、中平卓馬、エリオット・アーウィット
撮影した場所や時間を越えて2つの写真が、写真家が全く予期していなかった何かの関係性によって結ばれることがあります。それはまさしくセレンディピティの産物といえるでしょう。写真は、編みなおされることにより、それぞれを別に見た時の意味に加えて、2つが並ぶことで生まれる意味を帯び、作品としての豊かさを増していきます。

[作品にまつわるセレンディピティ]
出品作家:本城直季、井上佐由紀、石川直樹、ホンマタカシ、畠山直哉
優れた作品を生み出す作家たちも、みな私たちと同じように日々を生き、毎日を暮らしています。日常のなかでセレンディピティが訪れ、作品制作のきっかけになった作品や、鑑賞するうちに、私たちに思いがけない発見が訪れる作品などを紹介します。

TOPコレクション セレンディピティ日常のなかの予期せぬ素敵な発見
会期:2023年4月7日(金)~7月23日(日)
会場:東京都写真美術館 3階展示室(map)
開館時間:10:00~18:00 (木・金曜日は20:00まで)
休館日:毎週月曜日 ※5月1日(月)は開館
入場料:一般700円
問い合わせ:Tel.03-3280-0099

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東京都写真美術館

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