生誕100年 石元泰博写真展、東京都写真美術館で開催

東京・恵比寿の東京都写真美術館では、「都市」への視線を核としてシカゴや東京の街、人々の風景やポートレート、建築写真、色彩豊かな多重露光など、ミッドキャリアから晩年に至る作品を中心に写真家・石元泰博氏の時を超える孤高のまなざしを展覧する『生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市』が2020年9月29日(火)から11月23日(月・祝)まで開催するのでメモしておきます。(photo:東京都写真美術館)

1983年に紫綬褒章、1993年に勲四等旭日小綬章を受章し、1996年に文化功労者となった写真家・石元泰博氏(1921―2012)。石元氏は、モダンデザインの思想をシカゴで学び、その厳格な画面構成と造形意識から、日本にとどまらず国際的に高い評価を得ています。

都市と人間のあり方を問いかけるシカゴや東京のシリーズ、桂離宮や伊勢神宮から日本の伝統建築にモダニズムを見出した建築写真群、半世紀余りを共に歩んだ多重露光によるカラー作品のシリーズ、晩年に取り組んだ〈刻〉や〈シブヤ、シブヤ〉など、石元氏が手掛けた仕事は多彩を極めます。

石元氏の写真家としての確固たる意志や被写体への鋭いまなざし、撮影に対する飽くなき探究心は「カメラを持った古武士のまなざし」 とも賞されます。 2021年の生誕100年を祝し、3つの美術館の共同企画で展覧会を開催し(東京は(東京オペラシティ アートギャラリーと同時期開催、十代を過ごした高知では2021年1月~3月)、その多彩な仕事を過去最大規模のスケールで俯瞰、写真家・石元泰博氏による唯一無二の視点を詳らかにします。

石元泰博氏は、1921年アメリカ合衆国サンフランシスコ生まれ。3歳のとき両親の郷里である高知県に戻り、1939年高知県立農業高校を卒業。同年に渡米し、終戦後は、ニュー・バウハウス(シカゴ・インスティテュート・オブ・デザイン)で、写真技法のみならず、石元作品の基礎を成す造形感覚の訓練を積む。1956年川又滋氏(本名:滋子)と結婚。1969年に日本国籍を取得。丹下健三氏、磯崎新氏、内藤廣氏など日本を代表する建築家の作品を多く撮影していたことでも知られます。1983年に紫綬褒章、1993年に勲四等旭日小綬章を受章、1996年に文化功労者となります。 2006年、高知県立美術館に作品や資料の寄贈が決定。3万5千点におよぶプリント作品のほか貴重な資料が収蔵されています。これら石元コレクションを社会の共有財産として管理し、研究・普及するため2013年に「石元泰博フォトセンター」 が発足、現在に至っています。

生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市
会期:2020年9月29日(火)~11月23日(月・祝)
会場:東京都写真美術館 (map)
開館時間:10:00~18:00
休館日:毎週月曜日、ただし祝休日の場合は開館し、翌平日休館
入場料:一般700円
問い合わせ:Tel.03-3280-0099

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