アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー展

TOTO ギャラリー・間

東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間では、ベルギーのゲントを拠点に活動し、世界的な注目を集めつつある建築家ユニット アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユーの日本初の展覧会『ヴァリエテ/アーキテクチャー/ディザイア』が2019年9月13日(金)から11月24日(日)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:TOTOギャラリー・間|プレスリリース[PDF])

アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー (以下、ADVVT)は、自分たちがコントロールできない偶然性や既存条件も積極的に設計に取り入れながら、予算の多寡や新築・改修といった条件にとらわれず、多彩な空間を生み出してきました。

代表作のひとつ「カリタス」(2016年)は、取り壊しが進んでいた19世紀の精神科病棟の改修プロジェクトで、医師や療法士、患者とのディスカッションを重ね、屋根すら撤去されていた既存建物に温室を挿入し補修を行っただけで、多様な用途に応える開放的な空間を生み出しました。このプロジェクトを紹介した2018年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では、時間をかけて建築と向き合う態度が、建築の未来自体を開かれたものにするという理解を得て、銀獅子賞を受賞しました。

教育も設計活動の重要な一部分と考えているADVVTは、本展覧会のために今春、東京工業大学においてワークショップを実施しました。ADVVTの作品のコンセプトを学生が読み解き、そのコンセプトを再解釈し、日本というコンテクストに挿入する際にどのように設計に反映されるかを探究することで、ベルギーと日本のコンテクストの相違だけでなく、普遍的な建築のエッセンスを抽出しようとしています。

会場では、ADVVTが設計したベルギーのフランダース地方の11の住宅をワークショップで制作した模型やドローイングを交え、柔軟な発想で与条件をポジティブに転換するADVVTの作品と、彼らのまなざしが観覧できます。

アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユーは、ヤン・デ・ヴィルダー(1968年生まれ)、インゲ・ヴィンク(1973年生まれ)、ヨー・タユー(1971年生まれ)によって、2010年にベルギーのゲントで設立されました。ADVVTは、明快な理論と豊かな感性が結びついた前衛的な作品で知られています。彼らにとって設計と教育は不可分な存在であり、現在はベルギーのルーヴェン・カトリック大学、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)にて教鞭を執っています。2018年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展において、新進気鋭の建築家へ贈られる銀獅子賞を受賞。

アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー展
ヴァリエテ/アーキテクチャー/ディザイア

会期:2019年9月13日(金)~11月24日(日)
会場:TOTOギャラリー・間 (map)
時間:11:00~18:00
休館日:月曜・祝日 ※ただし11月3日(日・祝)、11月23日(土・祝)は開館
入場料:無料
問い合わせ:Tel.03-3402-1010

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