東京・銀座の銀座メゾンエルメス ル・フォーラムでは、エルメス財団が書籍「Savoir & Faire 金属」の刊行を記念し、金属の属性を考えるグループ展『メタル』を2025年10月30日(木)から2026年1月31日(土)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:銀座メゾンエルメス)
書籍「Savoir & Faire 金属」(岩波書店)は、自然素材を巡る職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みるプログラム「スキル・アカデミー」の一環で、『木』(2021)、『土』(2023)に続く第3弾です。
本書は、仏語版『Savoir & Faire le métal』(2018、アクト・スッド社・エルメス財団の共同編集)から選ばれたエッセイやインタビューの翻訳と、専門家などによるオリジナルテキストやインタビュー、ポートフォリオから編纂しました。
金、銀、鉄、鉛、真鍮など、青銅器時代から現代まで、人類の文明と共に歩んできた金属は、原材料となる鉱物や加工技術の多様性や価値の両義性といった特有の性質を持っています。
スキル・アカデミーのフランスにおける監修者である社会学者、歴史家ユーグ・ジャケ氏は、書籍の中で、金属の特徴を、両義性(アンビヴァレンス)と呼んでいます。素材に備わる物理的なこの性質は、どのような文化的な側面を持っているのでしょうか。
例えば、鉱石から金属を取り出し加工する姿は、神話や魔術などのモチーフとなり、赤い炎を操る勇姿やカンカンと響く工具の大きな音として、現代人の記憶にまで畏敬とともに呼び起こされます。中世の錬金術や近代の合理性、あるいは音がもたらす象徴性、闇と光、社会階層など、展覧会『メタル』では、この両義性(アンビヴァレンス)について、音楽、映像、造形の側面から3名のアーティストたちが金属を読み解き、再考してゆきます。
メタル音楽を記号論的に解釈するエロディ・ルスール氏、日本古来の朱と水銀を媒介に内的宇宙と外的象徴を創造する映画監督の遠藤麻衣子氏、そして鉄球としての地球に人間活動を重ね合わせ、廃材を用いた作品を作る榎忠氏。金属が文化の中でどのような属性を作り出してきたのかということに様々な角度からアプローチする、多彩な魅力にあふれる機会となるでしょう。
会期:2025年10月30日(木)~2026年1月31日(土)
会場:銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階 (map)
開館時間:11:00~19:00 ※ART WEEK TOKYO開催期間中(11/7~11/9)は10時から開館
休館日:水曜日、年末年始 ※11月5日(水)は開館
入場料:無料
問い合わせ:銀座メゾンエルメス Tel.03-3569-3300
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