2018年プリツカー建築賞、インドの建築家バルクリシュナ・ドーシ氏が授賞

ハイアット財団は、2018年のプリツカー建築賞をインドの建築家 バルクリシュナ・ドーシ (Balkrishna Doshi)氏に授与することを発表したのでメモしておきます。(photo:「Amdavad Ni Gufa」courtesy of VSF|プレスリリース)

プリツカー賞は「建築界のノーベル賞」ともいわれ、今年で40周年を迎えます。45人目(40組目)に当たる2018年の受賞者は、初めてインドからとなりました。同賞の審査委員長は、2002年受賞者のオーストラリアの建築家 グレン・マーカット氏で、SANAAとして2010年に受賞した妹島和世氏ら審査委員によって選出されました。

受賞理由として、バルクリシュナ・ドーシ氏がこれまで70年間にわたって建築家、都市計画家、そして教育者として、インドの国内外において建築論の体系化に貢献した人物で、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエ氏やルイス・カーン氏の影響を受けて建築を解釈し、西洋文化への敬意を作品に変換してきたとしています。

バルクリシュナ・ドーシ氏は、1927年インド・ムンバイに生まれ、インドが独立した1947年から建築を学び始め、イギリスへ渡航。1954年にインドへ帰国した後、北部のチャンディーガールや西部のアーメダバードでル・コルビュジエ氏のプロジェクトを担当、1962年にはルイス・カーン氏とも一緒に働くようになり、1974年に完成したインド経営大学の建設プロジェクトをドーシ氏が手伝うなど協業関係は10年以上に及びました。1980年、インド西部アーメダバードに自身の設計事務所「Sangath (サンガト)」を立ち上げ、その意味は、“共に動く”。これまでつくり出した建築は、詩的でありながら機能的でもあるところに1つの特徴があります。

インド国内だけでなく、欧米でも建築や都市計画など数々の分野で賞を受賞し、英国の王立英国建築家協会(RIBA)ではフェローを、米国のAIA (American Institute of Architeccts)では名誉フェローに就任。2005年から2007年にはプリツカー賞の審査委員も務めた経歴があります。

代表的な作品では、1994年にアーメダバードで完成した「Amdavad Ni Gufa (アーメダバード・ニ・グファ)」があり、地中のアートギャラリーで、インドを代表する画家マクバル・フィダ・フセイン氏の芸術作品を展示しています。(via 日経 xTECH/日経アーキテクチュア)

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