清春芸術村ゲストハウス「和心」落成記念展 – 「杉本博司」開催

山梨・北杜市の清春芸術村 光の美術館では、『清春芸術村ゲストハウス「和心」落成記念展 – 「杉本博司」』が2019年4月6日(土)から6月30日(日)まで開催するのでメモしておきます。(photo:光の美術館)

この春、文化複合施設である清春芸術村に現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏が率いる新素材研究所が設計を手掛けたゲストハウス「和心 (わしん)」が加わりました。本展は、その落成を記念したもので、杉本博司氏の今迄見る機会の少なかった版画作品「陰翳礼讃」や「松林図」、版画を掛け軸に仕立てた「華厳の滝」「海景」などを一堂に展示されます。

ゲストハウス「和心 (わしん)」は、「旧素材こそ最も新しい」という理念のもと、骨董から産業資材まであらゆるものを素材として吟味し設計に生かし、秋田杉 (建具)、十和田とわだ石いし (浴室)、玄げん昌しょう石せき (土間)、庭には滝たき根石ねいしなどを用い、庭の細部にいたるまで、素材にこだわりぬいています。

建物の角には柱を配置せず南側と東側の2方向に広がる大開口を実現し、大きな特長のひとつである銅板葺きの大屋根も鉄骨との混構造により支えています。この大屋根により生み出された広い軒先空間が建物と庭を繋ぎ、自然を楽しむことのできる空間を演出しています。

杉本博司氏は、1948年東京・御徒町に生まれ、1970年渡米、1974年よりニューヨーク在住。2008年建築設計事務所「新素材研究所」設立。2009年公益財団法人小田原文化財団設立。写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理、とその活動分野は多岐に渡り、世界のアートシーンにおいて地位を確立。杉本氏のアートは歴史と存在の一過性をテーマとし、そこには経験主義と形而上学の知見をもって、西洋と東洋との狭間に観念の橋渡しをしようとする意図があり、時間の性質、人間の知覚、意識の起源、といったテーマを探求しています。毎日芸術賞 (1998)、ハッセルブラッド国際写真賞 (2001)、高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門) (2009)、秋の紫綬褒章 (2010)、フランス芸術文化勲章オフィシエ (2013)、文化功労者 (2017)。

清春芸術村ゲストハウス「和心」
所在地:山梨県北杜市長坂町中丸4551の一部 (map)
設計者:新素材研究所
敷地面積:800.00m²、延床面積:160.40m²
構造:木造 (BF構造)・S造、階数:地上1階
竣工:2018年6月10日

会場となる清春芸術村 光の美術館は、パブロ・ピカソ氏の後継者とも言われたスペインの画家 アントニ・クラーベ氏のアトリエに着想を得た建物で、館内にはクラーベ氏の作品が並びます。展示室に人工照明はなく、自然光のもとで作品を鑑賞するために建築家 安藤忠雄氏が設計を担当しました。

清春芸術村は、小林秀雄氏や白洲正子氏と親交のあった吉井長三氏が創設。芸術村のなかには、ジョルジュ・ルオー氏、岸田劉生氏などの作品が並ぶ清春白樺美術館や、共同アトリエ「ラ・リューシュ」などが集まります。

清春芸術村ゲストハウス「和心」落成記念展 – 「杉本博司」
会期:2019年4月6日(土)~6月30日(日)
会場:清春芸術村 光の美術館 (map)
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日 (祝日の場合は翌平日休み)、年末年始
入場料:一般1,500円
問い合わせ:Tel.0551-32-4865

[ 関連するサイト ]
清春芸術村
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