「The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project」展

東京・品川の原美術館では、崔在銀 (チェ ジェウン)氏による発案・構成の『The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project』展を2019年4月13日(土)から7月28日(日)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:原美術館|プレスリリース[PDF])

本展は、Korean War休戦後、65年余りの歳月を経て非武装地帯 (DMZ / Demilitarized Zone)に生まれた豊かな生態系を守り、生きとし生けるもの全ての共生を願って崔が2014年に立ち上げた「Dreaming of Earth Project (大地の夢プロジェクト)」の構想を可視化する展覧会です。

本展の題名となっている「自然国家」とは、人間ではなく自然が治める国、崔氏の理想とする国のことです。アートとして形あるものをDMZ の生態系に作るということは、たとえ僅かであっても人間が自然の営みに介入することを意味しますが、かといって何もしなければ、社会情勢次第で豊かな生態系が滅びることも危惧されます。人が自然と関わりつつ、対立のエリアを生きとし生けるものの大地にするために崔氏が出した結論は、「自然国」の“法律”(=詩)の“創作”です。

本展では、出品作家に加え、崔氏が信頼する人々が自然について思索し、共生のための“法律”(=詩)を作ります。それらはいつの日か、鳥のさえずりや風にそよぐ草の音のように自然の一部となっていくことでしょう。

かつて「アショカの森」展 (2010年、原美術館)を開催するなど、アートの視点から生命を見つめてきた崔氏の集大成とも言えるDMZを舞台にしたプロジェクトの実現に向け、同氏共感する多くのアーティストや建築家の英知と共に、まずは原美術館から歩み出します。

崔在銀 (チェ ジェウン)氏は、1953年、ソウル生まれ。1976年より東京に在住し、草月流の華道を学ぶ。1984年から3年間、草月流三代目家元、勅使河原宏氏のアシスタントとなりました。1995年には日本代表の1人として第46回ヴェネチア ビエンナーレに出品するなど、国際展への参加多数。2001年には映画「On The Way」を発表し、映画監督としても活躍。2010年、原美術館にて日本における初個展「アショカの森」を開催しました。

【出品作家 (敬称略)】
坂茂、チョウ ミンスク、崔在銀、チョン ジェスン、川俣正、キム テドン、イ ブル、李禹煥、スン ヒョサン、スタジオ ムンバイ、スタジオ アザー スペーシズ:オラファー エリアソン アンド セバスチャン ベーマン

The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project
会期:2019年4月13日(土)~7月28日(日)
会場:原美術館 (map)
開館時間:11:00~17:00 ※祝日除く水曜日は20:00まで
休館日:月曜日 、5月7日(火)、7月16日(火) ※4月29日(月・祝)、5月6日(月・祝)、7月15日(月・祝)は開館
入場料:一般1,100円
問い合わせ:Tel.03-3445-0651

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原美術館

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