「ダミアン・ハースト 桜」展、国立新美術館で開催

東京・六本木の国立新美術館では、カルティエ現代美術財団による日本初のダミアン・ハースト氏の大規模個展『ダミアン・ハースト 桜』が2022年3月22日(火)から5月23日(月)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:国立新美術館)

イギリスを代表する現代作家であるダミアン・ハースト氏は、30年以上にわたるキャリアの中で、絵画、彫刻、インスタレーションと様々な手法を用い、芸術、宗教、科学、そして生や死といったテーマを深く考察してきました。最新作である〈桜〉のシリーズでは、19世紀のポスト印象派や20世紀のアクション・ペインティングといった西洋絵画史の成果を独自に解釈し、色彩豊かでダイナミックな風景画を完成させました。

それはまた、1980年代後半以降、継続的に抽象絵画を制作してきた作家にとっては、色彩や絵画空間に対する探究の大きな成果でもあります。大きいものでは縦5メートル、横7メートルを超える画面に描かれた風景は、儚くも鮮やかに咲き誇る桜並木の下に身を置いた時のように、私たちを幻想的な世界に誘います。

2021年、カルティエ現代美術財団は本シリーズを世界で初めて紹介し、高く評価されました。この度、春には満開の桜となる国立新美術館に、国内で初めてのハーストの大規模な個展が巡回します。本展覧会のために、107点から成る〈桜〉のシリーズから作家自身が作品を選び、展示空間を作り上げます。

ダミアン・ハースト (Damien Hirst)氏は1965年、英国ブリストル生まれ。リーズで育ち、1984年からロンドン在住。1988年、ゴールドスミス・カレッジ在学中に、学生と共に作品を展示した「フリーズ」展を主催。同展はハーストだけでなく、その他の新進アーティストのキャリアをスタートさせるきっかけになるとともに、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)」の誕生を示すものとなりました。1995年にはターナー賞受賞。彫刻、インスタレーション、絵画、ドローイングといった創作活動において、生と死、過剰さ、儚さといったテーマを探求する。これまでに2012年にはロンドンのテートモダンにて大規模回顧展となる「ダミアン・ハースト」展、ヴェネツィアのパラッツォ・グラッシおよびプンタ・デッラ・ドガーナにて2017年に「難破船アンビリーバブル号の宝物」展、2021年パリのカルティエ現代美術財団で「ダミアン・ハースト 桜」展を開催。日本では2008年の「英国美術の現代史:ターナー賞の歩み」、2009年の「医学と芸術:生命と愛の未来を探る」が森美術館で開催。

ダミアン・ハースト 桜
会期:2022年3月22日(火)~5月23日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E (map)
時間:10:00~18:00
休館日:毎週火曜日 ※5月3日(火・祝)は開館
観覧料:当日一般1,500円
問い合わせ:ハローダイヤル Tel.050-5541-8600

[ 関連するサイト ]
国立新美術館
Damien Hirst (@damienhirst)

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