「新素材研究所・ -新素材×旧素材-」展、建築倉庫ミュージアムで開催

東京・品川の寺田倉庫が運営する建築倉庫ミュージアムでは、企画展『新素材研究所・ -新素材×旧素材-』が2018年10月21日(日)から2019年3月3日(日)まで開催されるのでメモしておきます。(photo:建築倉庫ミュージアム|プレスリリース[PDF])

本企画展は、世界的に活躍する現代美術作家 杉本博司氏が建築家 榊田倫之氏と共に2008年に設立した建築設計事務所「新素材研究所」の10年にわたる活動を、建築模型・写真、そして新素材研究所の使用する特徴的な古材や道具、素材等の展示を通して紹介するものです。

「旧素材こそ最も新しい」という理念のもと、古代や中世、近世に用いられた素材や技法を、現代にどう再編して受け継いでいくかという課題に取り組む新素材研究所は、カタログからは建材を選ばず、骨董から産業資材まで独自の視点で見立てた素材を日頃から集め、それらを設計に生かし、空間を作っています。そのデザインは、素材の良さを最大限に引き出すための伝統的な職人の技術と最新技術とを融合させ、現代的なディテールで仕上げられます。本企画展は新素材研究所の活動の軌跡を振り返ります。

杉本博司氏は、1948年東京生まれ。立教大学卒業後、1970年に渡米、1974年よりニューヨーク在住。徹底的にコンセプトを練り上げ、精緻な技術によって表現される銀塩写真作品は世界中の美術館に収蔵されている。近年は執筆、設計へも活動の幅を広げ、2008年に建築設計事務所「新素材研究所」を建築家 榊田倫之と設立。主な著書に「空間感」(マガジンハウス)、「苔のむすまで」「現な像」「アートの起源」(新潮社)。1988年毎日芸術賞、2001年ハッセルブラッド国際写真賞、2009 年高松宮殿下記念世界文化賞、2010年秋の紫綬褒章、2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ、2014 年第一回イサム・ノグチ賞等受賞・受勲多数。

榊田倫之氏は、1976年滋賀県生まれ。2001年京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士前期課程修了後、株式会社日本設計入社。2003 年榊田倫之建築設計事務所設立。2008年建築設計事務所「新素材研究所」を杉本博司氏と設立。現在、新素材研究所取締役所長、榊田倫之建築設計事務所主宰、京都造形芸術大学非常勤講師。 杉本博司氏のパートナーアーキテクトとして数多くの設計を手がけています。

新素材研究所は、その名称に反して、古代や中世、近世に用いられた素材や技法を研究し、それらの現代における再解釈と再興を活動の中核に据えています。全てが規格化され表層的になってしまった現代の建築資材に異を唱え、敢えて扱いが難しい伝統的素材の建築的な可能性を追求する。それは近代化の中で忘れ去られつつある高度な職人の技術を伝承し、さらにその技術に磨きをかけることでもあります。杉本博司氏と榊田倫之氏は、時代の潮流を避けながら、旧素材を扱った建築をつくることこそが、いま最も新しい試みであると確信し、設計に取り組んでいます。

新素材研究所・ -新素材×旧素材-
会期:2018年10月21日(日)~2019年3月3日(日) ※会期延長
会場:建築倉庫ミュージアム 展示室 A (map)
開館時間:11:00~19:00
休館日:月曜日 ※月曜が祝日の場合翌火曜休館
※1月15日(火)~2月5日(火)まで展示準備のため休館
入場料:一般3,000円
問い合わせ:Tel. 03-5769-2133

[ 関連するサイト ]
建築倉庫
新素材研究所

杉本 博司 (著)
¥2,674 (2019.3.1時点)
Amazon.co.jp
杉本博司 (出演), 岸本康 (監督) | 形式: DVD
¥5,184 (2019.3.1時点)
Amazon.co.jp
Hiroshi Sugimoto (著), その他
¥7,427 (2019.3.1時点)
Amazon.co.jp