米・ハイアット財団は、2019年のプリツカー建築賞を日本人の建築家 磯崎新氏に授与することを発表したのでメモしておきます。(photo:ARK NOVA|プレスリリース)
プリツカー建築賞は「建築界のノーベル賞」ともいわれ、今回で46人目(41組目)の受賞となります。2019年の審査員は、委員長にステファン・ブライヤー氏(米国最高裁判所判事)、審査員にSANAAの妹島和世氏や英国の建築家リチャード・ロジャース氏、中国の建築家ワン・シュウ氏などが名を連ねました。
受賞理由として、審査委員会は「建築の歴史とセオリーに対する深い知識を持ちながら、アバンギャルドさも抱える。彼は、現在の状態を単に複製することは決してしない。だが、建築の意味を探る彼の姿勢は、今日に至るまで彼の建物に反映されている。彼の建築は、様式的な分類に反抗しつつも、進化し続け、そして常に新鮮なアプローチを採り続けている」 と述べています。
日本人の受賞は丹下健三氏、槇文彦氏、安藤忠雄氏、SANNA(妹島和世氏+西沢立衛氏)、伊東豊雄氏、坂茂氏に続き8人目となります。授賞式は19年5月、フランスで開かれ、パリで公開講義も行われる予定です。
磯崎新氏は、1931年大分市生まれ、1954年東京大学工学部建築学科卒業。丹下健三研究室を経て1963年磯崎新アトリエを設立。以来、国際的建築家として活躍。世界各地で建築展、美術展を開催し、また多くの国際的なコンペの審査委員、シンポジウムの議長などを務めたほか、カリフォルニア大学、ハーヴァード大学、イェール大学、コロンビア大学などで客員教授を歴任。建築のみならず、思想、美術、デザイン、文化論、批評など多岐にわたる領域で活躍。
代表作に、「大分県立図書館」(現アートプラザ、1966)、「日本万国博覧会お祭り広場」(1970)、「群馬県立近代美術館」(1974)、「つくばセンタービル」(1983)、「ロサンゼルス現代美術館」(MOCA、1988)、「バルセロナ市オリンピック・スポーツホール」(1990)、「チーム・ディズニー・ビルディング」(1991)、「クラクフ日本美術技術センター」(1994)、「奈義町現代美術館」(1994)、「ラ・コルーニャ人間科学館」(1995)、「京都コンサートホール」(1995)、「静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ」(1999)、「パラスポーツ・オリンピコ (トリノ・オリンピック アイスホッケー会場)」(2005)、「北京中央美術学院美術館」(2008)、「証大ヒマラヤセンター」(2010)、「カタール国立コンベンションセンター」(2011)など多数。近年のプロジェクトは、中国の鄭州市鄭東新区都市計画、可動式コンサート・ホール ARK NOVAなど。
[関連するサイト]
The Pritzker Architecture Prize
磯崎新アトリエ