東京・木場公園内の東京都現代美術館では、音楽家・アーティスト、坂本龍一 (1952-2023)氏の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展『坂本龍一|音を視る 時を聴く』を2024年12月21日(土)から2025年3月30日(日)まで開催するのでメモしておきます。(photo:東京都現代美術館|プレスリリース[PDF])
坂本龍一氏は50年以上に渡り、多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切りひらいてきました。90年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開し、さらに2000年代以降は、さまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考、実践しました。
本展では、生前坂本氏が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、坂本氏の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開します。これらの作品を通して坂本氏の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介します。
坂本龍一氏の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出します。坂本氏が追求し続けた「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という深い問いかけは、時代や空間を超えて、私たちに新たな視座をもたらし、創造と体験の地平を開き続けてくれるます。
坂本龍一氏は1952年、東京都生まれ。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「Yellow Magic Orchestra」結成に参加し、1983年の散開後も多方面で活躍。映画『戦場のメリークリスマス』(83年)の音楽では英国アカデミー賞、映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞、他を受賞。環境や平和問題への取り組みも多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を立ち上げるなど音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行いました。1980年代から2000年代を通じて、多くの展覧会や大型メディア映像イベントに参画、2013年山口情報芸術センター(YCAM)アーティスティックディレクター、2014年札幌国際芸術祭ゲストディレクターを務めました。2018年piknic/ソウル、2021年M WOODS/北京、2023年 M WOODS/成都での大規模インスタレーション展示、また没後も最新のMR作品「KAGAMI」がニューヨーク、マンチェスター、ロンドン、他を巡回するなど、アート界への積極的な越境は今も続いています。2023年3月28日、71歳で逝去。
会期:2024年12月21日(土)~2025年3月30日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F (map)
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜日、12月28日(土)~1月1日(水・祝)、1月14日(火)、2月25日(火)
※ただし、1月13日(月・祝)、2月24日(月・祝)は開館
料金:一般2,400円
問い合わせ:ハローダイヤル Tel.050-5541-8600 (9:00~20:00)
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