魚谷繁礼展 都市を編む、TOTOギャラリー・間で開催

TOTO ギャラリー・間

東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間では、京都をはじめ各都市の構成に関するリサーチをベースに京町家の改修を120件以上手掛け、都市の文脈の継承について問題意識をもちながら建築の実践に取り組む建築家 魚谷繁礼氏の展覧会『魚谷繁礼展 都市を編む』が2024年5月23日(木)から8月4日(日)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:TOTOギャラリー・間|プレスリリース[PDF])

魚谷繁礼氏は、京都をはじめ各都市の構成に関するリサーチをベースに京町家の改修を120件以上手掛けるなど、都市の文脈の継承について問題意識をもちながら建築の実践に取り組んでいます。京都では、日々町家や長屋が取り壊されてマンションや駐車場に替わるなど、歴史的街並みが消滅の危機にあります。その中で魚谷氏は、町家だけでなく路地や地割りなどの、建築遺構を継承する活動を続けています。

例えば「コンテナ町家」では長屋の一角を鉄骨フレームで覆ったうえでコンテナユニットと組合せ、路地を残しつつ現代的な活用ニーズに応えました。2023年度日本建築学会賞 (作品)を受賞した「郭巨山会所 (かっきょやまかいしょ)」では、祇園祭の歴史的会所建築を、保存建築物に関する制度を活用しつつ、既存の木構造と鉄骨造のハイブリッドによる増築で再生させました。このように、現代的な技術を多様な手法で歴史性や地域性に編み込むことによって、街並みや建築を次の100年に継承し、より豊かな都市空間や都市居住の実現を目指しています。魚谷氏の実践は京都での豊富な実務経験を元に、日本各地や海外にも広がっています。

本展では、こうした魚谷氏の都市と建築に向けた視座を「都市を編む」というタイトルで表現します。「都市を編む」とは、「都市の時間を重ねる」ことと「都市構造を読み解き再編集する」ことの両方の意味を内包しています。

魚谷繁礼氏は、1977年兵庫県生まれ。2001年京都大学工学部卒業、2003年同大学大学院工学研究科修了。現在、魚谷繁礼建築研究所代表。京都大学などで非常勤講師。2020年より京都工芸繊維大学特任教授。京都をはじめとする国内外の歴史都市において街路街区の構造の変容と現況に関する調査研究を行う。主な建築に「京都型住宅モデル」(京都府、2007年、池井健建築設計事務所と共同設計)、「西都教会」(京都府、2011年)、「ガムハウス」(京都府、2019年)、「SOWAKA (旧美濃幸)」(京都府、2019年)、「コンテナ町家」(京都府、2019年)、「郭巨山会所」(京都府、2022年)。主な著書に『住宅リノベーション図集』(オーム社/2016年)。JIA新人賞 (2021年)、北陸建築文化賞 (2021年)、関西建築家大賞 (2022年)、日本建築学会賞 (作品) (2023年)など受賞。

魚谷繁礼展 都市を編む
会期:2024年5月23日(木)~8月4日(日)
会場:TOTOギャラリー・間 (map)
時間:11:00~18:00
休館日:月曜・祝日
入場料:無料
問い合わせ:Tel.03-3402-1010

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