王立英国建築家協会(RIBA)は、建築家 妹島和世氏と西沢立衛氏のユニットによる建築設計事務所「SANAA」に、2025年のロイヤルゴールドメダルを授与すると発表したのでメモしておきます。(photo:ニューミュージアム|プレスリリース)
ロイヤルゴールドメダルは、国王陛下に代わって授与される建築における世界で最も高い栄誉の1つであり、SANAAが世界のデザインランドスケープを再形成し、シンプルさ、光、エレガンスを前面に押し出した空間を創出した功績を称えるものです。
SANAAの作品は、30年近くにわたり、持続可能でユーザー中心のデザインを開拓し、2025年のRIBA名誉委員会から「世界中の人々の共感を呼ぶ建築の普遍的な言語」を形作っていると称賛されました。大胆さと地域の環境への感受性のバランスを取りながら、彼らの作品は「建築が機能的であると同時に非常にエレガントであり、ますます複雑で混沌とした世界の中で落ち着きを提供することができることを示している」としています。
包括性とアクセシビリティを優先するSANAAの特徴は、人々を結びつけ、コラボレーションを刺激する場所を作り出すという深いコミットメントです。彼らの独特の光の使用は、彼らの空間に空気のような品質を与え、透明性と物質性をシームレスに相互作用して、ユーザーを建築や周囲の風景に結びつける環境を作り出します。
世界中に広がるプロジェクトを持つ彼らのデザインは、周囲の環境や地域の状況に対する信じられないほどの献身を体現しています。ニューヨークの賑やかな通りにそびえ立つ印象的なニューミュージアムからローザンヌのジュネーブ湖畔にそびえ立つ静かに流れる低層のロレックスラーニングセンターまで、SANAAのデザインは場所に対する深い感受性を反映しています。
シンプルでミニマルなファサードを演出するプロジェクトは、インテリアの静かな複雑さを隠しており、妹島氏と西沢氏の作品の背後にある深い厳格さを証明しています。このシンプルさと深さのバランスが、彼らの建築的アプローチを定義しています。
SANAAは妹島和世氏と西沢立衛氏による建築家ユニットの建築設計事務所で、伊東豊雄建築設計事務所を経て独立した妹島氏と、妹島事務所の所員だった西沢氏が1995年に結成しました主な作品に、『ディオール表参道』(2003年)、『金沢21世紀美術館』(2004年)、『スタッドシアター・アルメラ』(2006年、オランダ)、『ニューミュージアム』(2007年、米国)、『ROLEXラーニングセンター』(2009年、スイス)、『ルーヴル・ランス』(2012年、フランス)、『ボッコーニ大学新キャンパス』(2020年、イタリア)、『ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館新館』(2022年)など。プリツカー賞、日本建築学会賞、高松宮殿下記念世界文化賞など受賞多数。直近では、香川県の新しい県立体育館『あなぶきアリーナ香川』が、2025年2月24日に開業予定。
[ 関連するサイト ]
Royal Institute of British Architects
Kazuyo Sejima + Ryue Nishizawa / S A N A A