マイク・ケリー展、ワタリウム美術館で開催

東京・渋谷のワタリウム美術館では、1970年代後半から多種多様な活動を通じて、アメリカ合衆国の大衆文化に潜むさまざまな闇にアプローチし、2012年に他界してなお、国籍、世代、ジャンルを問わず、幅広く影響を与え続けるアーティスト、マイク・ケリー氏の個展『マイク・ケリー展 デイ・イズ・ダーン 自由のための見世物小屋』を2018年1月8日(月・祝)から3月31日(土)まで開催しているのでメモしておきます。(photo:ワタリウム美術館)

本展では、2005年にロンドンのガゴシアン・ギャラリーで発表して以来、ケリー氏の代表作のひとつとして知られる「Day is Done(デイ・イズ・ダーン)」(2005)を紹介します。「Day is Done」は、365の映像とインスタレーションとして構成されたシリーズ「Extracurricular Activity Projective Reconstruction」の一部、#2~#32の総称で、複数メディアからなり、この映像シリーズは、ケリー氏が通ったすべての学校を組み合わせてつくった彫刻作品「Educational Complex」を舞台としています。建物の中の思い出せない部分を「抑圧された記憶」として未完成のままにし、「Extracurricular Activity Projective Reconstruction」によって、その失われた記憶を埋めるように物語がつくられています。

「Day is Done」のほか、ケリー氏のルーツであるアイルランドの神話から四つ葉のクローバーとそれが表す幸運というモチーフをアイロニカルに表現した「Pansy Metal/Clovered Hoof (女々しいメタル/クローバーの蹄)」(1989/2009)、デヴィッド・アスクヴォルドとのコラボレーション・プロジェクト「ポルターガイスト」の一部で、「Ectoplasm #1-#4 (エクトプラズム #1-#4)」(1979)、ミネアポリスの農協のバターのパッケージに描かれたネイティブアメリカンの少女をモチーフとした「Land O’Lakes (ランド・オ・レイクス)」(1996)といった異なる時代の3シリーズを紹介します。

マイク・ケリー氏は、1954年にアメリカ・ミシガン州生まれ、1970年代後半より、パフォーマンス、ペインティング、ぬいぐるみやサウンドを用いたインスタレーションなど、多形態、多様式な作品を発表したほか、ポール・マッカーシーやソニックユースとのコラボレーション、音楽活動やアルバムジャケットの制作など、アート以外の幅広い活動も行っています。ニューヨーク・タイムズによると、「過去四半世紀で最もアメリカ美術に影響を与えた一人であり、アメリカにおける大衆文化と若者文化の代弁者」とされています。

なお、ワタリウム美術館では、今後、複数回の展覧会を通じてケリーのさまざまな作品を紹介していく予定です。

マイク・ケリー展 デイ・イズ・ダーン 自由のための見世物小屋
会期:2018年1月8日(月・祝)~3月31日(土)
会場:ワタリウム美術館 (map)
開館時間:11:00~19:00 ※水曜日は21:00まで
料金:大人1,000円
問い合わせ:Tel.03-3402-3001

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